「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第279回
マスヒロさん推奨のかつ丼 (その1)

昨日まで綴った「日本の誇る五大どんぶり」の
後日談めくが「かつ丼篇」(第275回参照)の際に
脳裏をよぎる1軒の店があった。
その名を「坂本屋」という。
中央線・西荻窪北口の商店街にある
中華主体の町の食堂である。

「坂本屋」の存在を始めて知ったのは
週刊誌のコラムだったか
グルメ・ガイドブックだったかは失念したものの
山本益博さんによる紹介だったことは確かだ。
見るからに食欲を喚起するかつ丼の写真に心挽かれ、
さっそく西荻まで出掛けて行ったことを覚えている。
フード・ダイアリーで確認してみたら
2001年4月のことであった。

そのときのメモを引用してみる。

 かつ丼  わかめ味噌汁 
 キューちゃん風新香  700円
                評価:4.2点

 カウンター5席、テーブル8席のみの小体な店。
 接客するのは店の先代と思しきお爺ちゃん。
 運ばれたかつ丼は写真の通りにグッド・ルッキング。
 かつはやや薄めながら、かつ丼用としてはほどよい。
 玉子はザッとかき混ぜただけの黄身・白身が溶け合
 わないタイプ。このツートンカラーがプロの仕事。
 控えめな丼つゆの量が好ましく、少々甘口だが、つ
 ゆだくではないから、美味しく食べられる。
 かつの下に玉ねぎ、上にはグリーンピースが10粒。
 ごはんは1粒ずつが元気のよい固めの炊き上がり。
 わかめの味噌汁に豆腐ときざみねぎが加わり、キュ
 ーちゃんがぬか漬けに代われば、評価は4.4点とな
 ろう。
 この日の日替わり定食(700円)は肉野菜炒めの納
 豆付き。客の注文は日替わりかかつ丼が圧倒的。
 ほかには、ラーメン・ソース焼きそば(各480円)
 タンメン・炒飯・チキンライス・カレーライス(各
 550円) 酢豚定食・豚肉ピーマン細切り定食(各
 1100円)などなど。
 きっと、何を食べても旨いんだろうな。

このかつ丼が脳裏をよぎったのである。
かなり評価が高かったので
よほど紹介しようかなとも思ったが
6年も前に食べたものを検証せずに
推奨するわけにもいくまいと思い直した。

ちなみにJ.C.のフード・ダイアリーにおける評価点は
5点満点制で、満点は2〜3年に1軒出る程度。
相当にヒドい店でも下限は2.5前後。
3.5が可も不可もなく、3.8で美味しい部類。
4.0ならマルが付き、4.2で一ツ星。
4.5以上は二ツ星。4.8以上でやっと三ツ星。
したがって「坂本屋」のかつ丼は一ツ星の
栄誉に輝いたことになる。

その日は「坂本屋」のかつ丼のことが
一日中頭から離れなかった。
2日後の土曜日の正午前。
週末のことで快速電車の止まらぬ
西荻駅のプラットフォームに
各駅停車から降り立った
J.C.オカザワの姿を見ることができた。

          =つづく=

 
←前回記事へ

2007年7月26日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ