「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第402回
愛媛の山で撃たれた 哀れな仔いのしし (その1)

本日よりこのコラムで紹介した店舗が
HPを開設している場合は
そのURLを添付することにしました。

そこでさっそくの登場が
本郷三丁目にあるフレンチレストランの
「ペジーブル」1。
以前は同じくフレンチの「楠亭」のあったところで
その店名の通りに店の前には
樹齢700年にならんとする大楠がそびえ立っている。

「ペジーブル」での食事は
大きな栗の木の下ならぬ、
大きな楠の木の前で、ということになる。
フランスのブルゴーニュで研鑽に努めたシェフと
彼を支えるマダムとの二人三脚に加え、
キッチンには若い男性、フロアには若い女性が
それぞれ1人ずつ、オーナー夫妻をアシストしている。

初めて訪れた初夏の夜には
ニコラ・ポテルのブルゴーニュ’04年を抜いてもらって
5250円のコースとアラカルトの二本立てを楽しんだ。
料理の内容は下記の通り。

 コース・・・・ スコットランド産サーモンのマリネ
        あいなめのキャベツ包み蒸し煮
        フロマージュ盛合わせ
        デセール&カフェ

 アラカルト・・仔うさぎ背肉のロティ
        脚付き子鳩のロティ

コースは割安感が高くてお食べ得。
フロマージュもブリーダモー、ロックフォール、
ルブロッションと
白&青カビにウォッシュのバランスに優れた盛合わせ。
このあたりが実に心にくい。

アラカルトのほうはどちらもメインディッシュ。
どうしても両方食べたくて
仔うさぎを前菜代わりにしてもらったのだ。
ジロールやブラックトランペットなど、
本場のキノコをふんだんにあしらった
仔うさぎもさることながら
シェフが修業を積んだシャニーの三つ星レストラン、
「Lameloise」(332回参照)
スペシャリテとして名高い子鳩がその上をいく。
添えられた鳩の内臓とリードヴォーに
黒トリュフのソースが渾然一体となって
赤ワインとシンクロナイズしていった。

昨年の暮れも押しつまった頃、
気の合った仲間同士が5人集まっての
イヤーエンド・ディナー。
平たいハナシが忘年会なのだが
この「ペジーブル」で開催することとなる。

予約の際にシェフから
愛媛のマタギが撃ち取った仔いのししの肉が
残っていると聞き及び、
歓び勇んでその確保をお願いする。
日本のジビエでは鹿肉よりも猪肉が好きなのだ。

          =つづく=


本日の店舗紹介
1 「ペジーブル」 http://www.paisible.jp/

 
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2008年1月16日(水)

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