「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第411回
おすすめできるタイ料理

東京のエスニック、特にタイやベトナム料理が
冴えないことはつい先日もふれた(399回参照)。
悲惨な状況下にあって
タイ料理の希望の星に期待をかけ、池袋まで出向く。

自著「ドクロ本」でお世話になった
編集担当のS倉嬢との待ち合わせには
まだ時間の余裕があったので
気になっていた街の小さな中華料理店の存在を
確かめるために、有楽町線・要町駅に降り立った。

数年前にテレビの番組で見た「広楽」は
マジシャンのマギー司郎が下積み時代に通った店で
カツ丼が思い出の味として紹介されていた。
J.C.はカツ丼も好きだが、
何よりもこのマジシャンのファンなのである。
人柄のにじみ出るトボケた味の話術が大好きだ。

「広楽」の記憶が薄れかけていたおりもおり、
たまたま先週の日経プラスワンに
そのマギー司郎の記事が掲載されていた。
「広楽」の名前こそ見えなかったものの、
彼は最後の晩餐をカツ丼に決めているという。
これはまぎれもなく「広楽」のカツ丼を
念頭に置いているなと感じつつ、
近々、ぜひ行かねばならぬと思った次第だ。

駅から歩いて数分。
おり悪しく店にはシャッターが半分下りていた。
貼り紙には「しばらくの間、休業します」とある。
店内にはうっすらと灯りが点り、
カウンターの様子がうかがい知れる。

通行人に怪しまれぬよう、そっとのぞいてみると、
皿やドンブリの重なり具合からして
つい最近、休業に踏み切った気配が漂う。
再開を念じつつ、そのうちレンラクしてみようと
看板に記された電話番号を書きとめておいた。

さて、期待の星のタイ料理店「ピラブカーオ」。
今回が初めての訪問だが
以前、銀座にあった支店は訪れていて
そのときの印象はきわめてよいものだった。
数多くのクラブが入居する銀座8丁目の
ビルの3階だか4階にあって
こんな場所で商売になるものかと案じていたら
案の定、閉店してしまった。
炒飯と蟹玉炒めの美味しさを記憶している。

お酒に弱いS倉嬢はウーロン茶。
そのぶんモリモリ食べてもらうことにする。
こちらはスーパードライで
注文したのは、タイ野菜の炒め、焼きダック丼、
豚肉のレッドカレー、レモングラス風味の焼き鳥、
海老とトマトの炒飯の5品。

タイ野菜は青菜であったがボリューム不足。
焼きダックはこの店の看板料理だけあって美味。
カレーもやや甘めながらコク味にあふれた佳品。
焼き鳥というよりグリルチキンと呼ぶべき皿は
どこか1度火を通したあとに
焼き直した感じがあって、ちょいと残念。
やはりこの店の逸品は炒飯であった。
パラリと炒まったタイ米がとても美味しい。
全体的に銀座店よりオチるものの
東京でおすすめできる数少ないタイ料理店である。


【本日の店舗紹介】
1「ピラブカーオ」
http://www.pirabkao.net/default/page6.html

 
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2008年1月29日(火)

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