「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第417回
この町にも 母と娘のおばんざい

東京に唯一残った路面電車の都営荒川線。
始発駅の三ノ輪橋から
早稲田行きに乗れば、5つ目の駅が町屋。
用のない人が立ち寄る場所ではないが、
都内各地に展開する人気焼肉店「正泰苑」の
本店と駅前店があることで知られている。

そんな荒川区町屋の町に
知られざる1軒の店がある。
駅から歩いて2〜3分の「あかりや」である。
母と娘の2人だけで営む
小さなダイニングバーといった雰囲気の店だ。
カウンターの中には女将さんが独り。
奥で料理を担当するのが娘さん。
J.C.が顔を出す神保町「やまじょう」に
とてもよく似た店なのである。

3年ほど前に、その「やまじょう」の母と娘を
この「あかりや」に案内したところ、
似ているのは店の業態や構成のみならず、
娘の名前がともに「麻由子」で
びっくりしたことがあった。
偶然というものは重なるものだ。

久しぶりに「やまじょう」の女将と一緒に
「あかりや」を訪ねた。
「やまじょう」の娘の麻由子は現在、
フィアンセのいるパリに滞在中なので
昨秋の欧州旅行でも一緒だった出版社勤務の
Mり嬢を伴い、3人で出掛けていった。

しばらくは女将同士の近況報告に花が咲く。
こちらはサッポロの生中を飲みながら
注文品の吟味に入った。
Today’s Specialと書かれたメニューには
 自慢の一品 牛もつ煮込み
 カジキのフライ 手作りタルタルソース
 海老とブロッコリーのサラダ
 よしこさんの白菜漬け
 手作りレバーパテ
 屋台のソース焼きそば
 あかりや特製チキンカレー

とあって、結局は全品を注文。
吟味もへったくれもあったものではない。

そのほかにカウンターに並べられたおばんざいの
ししゃも南蛮漬け、帆立と白菜のクリーム煮を。
グランドメニューからは
チヂミ、塩焼きそば、アジアン米粉を追加したのだった。
いくらなんでも食べすぎですよ、これは!

J.C.は軽くつまみながらも
もっぱら飲むほうに専念。
生ビールのあとは赤ワインに移行し、
イタリアのモンテプルチアーノと
スペインのリオハを飲み継ぎ、
最後は2杯のシークワーサーハイで締めくくる。

下戸のMり嬢はただひたすら、栄養補給にいそしみ、
女将は酒と料理をバランスよく楽しんでいる様子。
飲みすぎのため、よくは覚えちゃいないが、
当夜のベストディッシュが
カジキのフライであったことだけは確かだ。
でもこの夜なんですよ、
ケータイをタクシーに忘れたのは(404回参照)。

 
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2008年2月6日(水)

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