「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第437回
今度は天津包子を 食べに行った

ここひと月ほど、九段下の千代田図書館に
ちょくちょく出掛け、調べ物をしている。
その日も図書館に向かって道を急いでいた。
2月26日の夕刻のことである。

九段会館(旧軍人会館)のはす向かい、
ミニストップの店先を通り掛かって頬がゆるんだ。
鼻腔をくすぐったのは紛れもないあの匂い。
大好きな沈丁花が香り立っていたのだ。
店の前の生垣に目をやれば、
見覚えのある赤紫のつぼみがほころんでいる。

これが今年初めての沈丁花。
書き初めならぬ、嗅ぎ初めである。
去年は2月16日に嗅ぎ初めをしたから
今年は10日も遅れている。
もっともこれは、たまたまJ.C.が街中を歩いていて
沈丁花の香りを嗅いだ日ということで
花は数日前に咲いていたということもありうる。
したがって気象庁が発表する前線情報のように
正確な日にちでは毛頭ない。
とにもかくにもシアワセな気持ちで図書館へ。
それにしても今年の二・二六はいろんなことがあった。
火の粉のあとの甘い香りに慰められる思い。

図書館で用足しを終え、再び夜道を歩む。
この夜は某出版社のN濱クンと新企画の打ち合せのため、
神保町で行きつけの「やまじょう」にて待ち合わせ。
約束の時間に小一時間ほどの余裕があり、
ここで思い出したのが「スヰートポーヅ」(433回参照)。
ついこの間、餃子を食べ、次回は天津包子と水餃子で
ビールを飲みたいと思ったことだった。
夢というほどではないにせよ、
意外に早く願いが実現したワケだ。
さすがに天津包子と水餃子の両方はムリなので
この夜はまず包子のほうをお願いする。
ビールはキリンラガーの中瓶。

コンパクトな四人掛けのテーブルを
見知らぬ人と2人でシェアして狭苦しさはない。
運ばれた皿の上には小さな包子が5個。
コンビニのレジ脇で見掛ける肉マンの
1/3ほどのサイズだろうか。
これに醤油ダレと練り辛子を合わせて食べる寸法。
それでも最初の1つは何も付けずにそのままパクリ。

餃子もそうだったが
この店の特徴は餡にきざみこまれた竹の子。
その風味の際立ちが他店とは一線を画するところだ。
味はけっこうなのだがこの包子、
上海の小籠包子とは違い、湯包(タンパオ)ではないから
スープっ気がまったくない。
やはり湯包を食べつけると、そちらに軍配を挙げたくなる。

5つの包子を食べ終えての感想は
なんとなく水餃子はもういいや、という心持ち。
今度はいつ「スヰートポーヅ」を
訪れることになるのやら・・・。

中瓶を1本空けたあとなので
「やまじょう」では麦焼酎のつくづくしをロックで。
みょうがの素揚げを添えた揚げだし豆腐とともに味わう。
安くて美味いつくづくしは
舌にもフトコロにもやさしい優良焼酎だ。

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2008年3月5日(水)

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