「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第463回
今年最後のお花見

小唄の栄芝師匠からもらった
「日本橋弁松」の弁当をぶら下げ、
唄の三越劇場から花の小石川植物園に移動。
老舗の二段弁当は桜の花の下で
その包みを開かれることになるのだろう。

ステージを降りてきたK石クンと
やはり観賞に来ていたハーピストのIアサンと
一緒に半蔵門線・三田線を乗り継いでやってきた。
この植物園は春日・白山・茗荷谷駅からほぼ等距離。
春日で下車後はクルマを使うほどでもないし、
ちょいとばかり歩くことになったのだが、
羽織姿に草履を突っ掛けたK石クンのアゴは
ほどなくアップアップになってきた。

思い起こせば昨年もこの場所で
花見を決行したのであった(192回参照)。
1本だけかろうじて花を付けた三分咲きの木の下だった。
去年ははしり、今年は名残りの桜を愛でることとなる。
ポカポカ陽気のもと、総勢10人が終結した。
心なしかみんなの頬がゆるんでいる。

女性陣の買い出しによるつまみ類は前年とほぼ一緒。
ここにあえてつまびらかにするほどでもない。
K石クンのと合わせて2箱開いた「弁松」の弁当は好評。
こういうクラシックな折詰は花の雲の下では
いっそう美味しそうに見えるものだ。

大きな声では言えないのだが
(と言いつつも、また公言している)
この植物園は酒類の持込み禁止。
去年も当コラムでそこにふれたら
読者の方から厳しいお叱りのメールをいただいた。

ビールの缶を隠しながらおずおずと飲み始める。
あたりを見渡すかぎり、ほかのみなさんも
そこそこ召し上がられているように見える。
そこへ遅れてやってきた外人連れのグループが
堂々とワインのボトルを抜栓するではないか。
それを潮(しお)にその一帯は
精神的呪縛から解き放たれたのだった。

陽が西に傾き、閉園時間がせまりくる。
この日はあらかじめ二次会会場を決めておいた。
タクシーに分乗し、巣鴨はとげ抜き地蔵通りの
突端にある甘味居酒屋「和作」に直行。
「甘味居酒屋とはなんぞや?」
読者の疑問もごもっとも、まずは先をお読み下され。

「和作」は一時期、24時間営業の甘味&食事処であった。
現在はボタ餅とおハギを商いつつ、麺類や丼モノを扱い、
なおかつ、酒とサカナも提供する居酒屋を兼ねている。
したがって都内に類を見ることのない
甘味居酒屋と呼ばれてしかるべきなのである。

めいめいビールや焼酎を頼んでのつまみ類は
鴨ロース・かきフライ・焼き餃子・
天ぷら盛合わせなどなど。
われわれが飲んでいる間にも店先に
甘味を求める女性客が引きも切らない。
女性の多いわがグループもボタ餅とおハギで締めた。
エッ? ボタ餅もおハギも同じものだろうって?
ところがこの店では違うんですな。
驚くなかれ、ボタ餅は100%のモチ米ながら
おハギはモチ米とウルチ米のブレンドなんざんす。


【本日の店舗紹介】
「和作」
 東京都豊島区4-34-5
 03-3918-0350

 
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2008年4月10日(木)

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