「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第472回
中野で一番人気の ラーメン「青葉」

新宿から吉祥寺まで中央線沿線各駅の
グルメ度を評価していくと
美味しい店が居並ぶのは西荻だろう。
ビッグタウンの吉祥寺に、いい店はありそうでない。
荻窪はまずまずの健闘を見せ、阿佐ヶ谷も悪くない。
高円寺はすでに年配者にはツラい街になってしまい、
これといった佳店があるわけでもなく、
むしろ不振を極めていると言ったほうがよい。

そこで中野区を代表する街・中野。
このところ、訪れる機会にずいぶんと恵まれた。
駅の北口と南口ではまったく異なる様相を見せるが
鮨の「峯八」、そばの「さらしな」、うなぎの「川二郎」、
エスニックの「カルタゴ」あたりは気に入っている。
居酒屋ならば「らんまん」や「陸蒸気」がよろしい。
つい先日紹介した「大将」(470回参照)だってある。

中野にあって、もっとも有名な飲食店となると
中華そばの「青葉本店」ということになろうか。
ずいぶん以前に飯田橋に支店を開いて
最近は西荻にも出店したものと認識していたら
都内どころか、船橋・大宮・つくば・水戸あたりまで
驚くほどに手広く展開していたのだった。
はたしてそこまでのラーメンだろうか。

大衆割烹「大将」がすぐ近くだったので
「青葉」の前を通ることにもなった。
昼どきと違い、夜間の行列はたいしたことはない。
店内にて待つ客が3〜4人といったところだ。
商売を手広く拡げたせいか、
本店の過熱感は薄れたようだ。

昼を避け、夕暮れどきに訪れたのは
実に7年ぶりであった。
くの字形のカウンターに空席があるものの、
客足はコンスタントで
押し寄せるという感じはなくとも
引きも切らないといった風だ。
中華そばを食べている客が多く、
つけめん派が3分の1ほど混じっている。

カウンターの中には作り手の男性が2人に
勘定とお運び担当の女性が1人の計3人の切り盛り。
待つこと7〜8分で出来上がった中華そばには
肩ロースのチャーシューと焼き海苔と
なると巻きが1枚ずつ。
それに、これがこの店の特徴でもあるのだが
材木のような形をした大き目のシナチク。
味・香りともに申し分なく、具材の主役を張っている。

中太ちぢれの麺はツルっとしてヌルっときた。
噛み締めようとすると、歯から逃げていくタイプだ。
舌の上ではうどんのようなすべり方をする。
スープはかつお節が主張してトロリのヌルリ。
温度が下がると、うどんのつゆに風味が似てくる。

食べ終えての感想はまず、子どもの頃に食べた
中華そばとは明らかに違うな、ということ。
こういう太めの麺はサッポロラーメンが
普及するまでは見掛けなかったものだし、
魚介系の出汁はそばやうどんの専売特許であった。
それでも美味しくいただけて、お値段は650円。
200円増しの特製中華そばは
煮玉子が入り、チャーシューが3枚となる。
懐旧派としてはどんぶりをおおい尽くす煮豚よりも
1枚の焼き豚がありがたく、それにほうれん草を
チョコッと添えてくれれば、言うことナシなのだが・・・。


【本日の店舗紹介】
「青葉 中野本店」
 東京都中野区中野5-58-1
 03-3388-5552

 
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2008年4月23日(水)

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