第487回
旅の乗り物 席は窓側?通路側?
当コラム第475回の
「おにぎりか? おむすびか?」に引き続き、
またしても日経新聞土曜版の「PLUS 1」ネタで恐縮。
最近始まったこのテーマ、
「あなたは どっち?」シリーズは着想が面白く、
ついつい興味をそそられて見入ってしまう。
4月26日付けのそれは表題の通りであった。
日経生活モニターのアンケートの結果は
窓側派3501人に対し、通路側派2031人で
窓側派に軍配、それも圧勝といえる内容だ。
大相撲夏場所初日の
稀勢の里−朝青龍戦のような結末といえる。
この結果は少々意外な気がした。
J.C.は筋金入りの
(こんなところに筋金を入れても仕方がないが)
通路側派なのである。
もっとも航空機と列車ではだいぶ事情が違ってくるし、
同じ航空機でもフライト時間の長さに
大きく左右されることにもなろう。
新幹線や国内線のフライトであれば
それほど窓側を厭うこともないが
やはり長時間に渡っての窓側は
奥に押し込められたような圧迫感を感じて苦痛だ。
両派の主張の中から当然のことや、
面白いものをピックアップすると
■窓側派
景色を眺めながらひとりの世界にひたれる
よだれを垂らそうが口を開けていようが気にならない
あまり人と目線を合わせなくて済む
■通路側派
年をとるとトイレが近くなり、通路側が便利
子連れのため、トイレや授乳でひんぱんに席を立つ
新幹線で痴漢に遭遇し、窓側で逃げられなかった
窓側だと紫外線を浴びやすい
日経の記事には触れられていなかったが
よお〜く比べてみると、
それぞれの個性があからさまに浮かび上がる。
各派、まったく正反対の性格の持ち主といってよい。
その違いは自民党と民主党のそれよりも歴然だ。
窓側派は他人を気遣うわずらわしさを避けて
自分の世界にひたろうとする人が多い。
一方の通路側派は隣人に迷惑をかけまいという
心配りが浮き彫りになっている。
加えて年配者、乳児を抱えた母親、
痴漢やお肌のシミを気にする若い女性、
いわゆる社会的に弱い立場にいる人たちが目立つ。
この結果から航空会社にアドバイスしたいのは
チェックインの際に、女性と年配者に対しては
航空会社のほうから客席の希望を
訊ねてあげたらどうだろう。
窓側・通路側のチョイスだけでなく、
同性の隣りの席をのぞむ女性も多いことだろう。
J.C.が通路側を好む理由は
離席しやすい
アテンダントのサービスを受けやすい
機内の状況を把握しやすい
密閉からくる圧迫感から開放される
といったところで
機内食も通路側のほうが美味しくいただける。
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