「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第605回
舞台の上で 死ねたら本望 (その2)

加藤登紀子さんが経営するロシア料理店、
「スンガリー新宿東口本店」に
男ばかり3人で来ている。

いきさつはこうであった。
神保町の「やまじょう」でときどき顔を合わせる
常連客のO部さんに案内された
バー「猫目」(587回参照)にウラを返そうと、
新宿の街にやって来たのである。
のっけからバーというわけにもいかず、
まずは腹ごしらえとなった次第だ。

当夜の同伴者は第587回にも登場した
K石クンとDニクの二人。
ロシアビールのバルティカNo3で
乾杯をしようとも思ったのだが
結局は飲みなれたスーパードライに落ち着いた。
このあと、バーに赴くことでもあるので
ウォッカやズブロッカなど強い酒を自重し、
グルジア産赤ワインのラパレウリを2本抜いた。

注文した料理はかくの如し。

 セリョートカ(酢漬けニシン)のサラダ ¥1000
 ルイノク(鰻スモーク)のサラダ ¥1100
 カプスタ(発酵キャベツ)&
  アグレツ(酢漬けきゅうり)の盛合わせ ¥700
 赤かぶとポテトのサラダ ¥800
 ペリメニ(シベリア餃子)のバターソース ¥900
 仔羊のシャシリーク(串焼き) ¥1600
 天然イノシシのグリル ¥1700
 鳩のローストのセップ茸詰め ¥1800
 ピロシキ ¥250×2
 ライ麦パン ¥200×2
 サフランライス ¥300×2

赤字がおいしかった料理である。
4品も赤字があれば大したものである。
獣禽類ではグルジアの郷土料理・シャシリークが断トツ。
鳩は冷凍の解凍のようで、身肉に風味も弾力もない。
とてもフランス料理の水準には達していないのだ。
天然イノシシも天然とは思えなかった。
というより、肉自体がイノシシ特有の深紅色をしていない。
豚肉のように白っぽかったから、イノブタかもしれない。

鰻のスモークと取り合せたハーブいっぱいのサラダは秀逸。
ロシア料理の定番の赤かぶ入りポテトサラダも
シンプルなおいしさに好感が持てる。
ライ麦パンにはキャラウェイがしっかり利いて
これぞロシアンブレッドという感じ。
意外によかったのがサフランライスで
下手なインド料理店の上をいった。

一同満腹となり、文壇バー「猫目」へ回った。
めったにウイスキーを飲まないが
I.W.ハーパーをボトルで頼んだので炭酸で割って飲んだ。
いわゆるバーボンのハイボールというヤツですな。
猫の目をした「猫目」のママは健在だった。
もっともウラを返す前に
神保町の東京書店で催された今をときめく
エッセイスト・石田千さんのトークショーで
偶然、同席している。

ママをアシストするために
週に一度だけ働きに来るナントカちゃんが
元AV女優と聞いて、オジさんたちは急に色めき立った。
馬鹿だね、まったく。


【本日の店舗紹介】
「スンガリー新宿東口本店」
 東京都新宿区歌舞伎町2-45-6千代田ビルB1
 03-3209-4937

「猫目」
 東京都新宿区新宿5-12-1氷業ビルB1
 03-3350-4304

 
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2008年10月27日(月)

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