「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第618回
阿波尾鶏の鳥わさ 
=男の手抜き料理シリーズ第6回=

昨日登場した人形町の天ぷら店「中山」での昼食後、
腹ごなしの散歩にいそしもうとテクテク歩いた。
日本橋川が隅田川に注ぎ込む寸前に架かる豊海橋を渡り、
すぐさま隅田川に架かる永代橋を渡った。
日本橋川を神田川に置き換えると、
柳橋と両国橋を続けて渡るような感覚である。

門前仲町方面には向かわずに
佐賀・深川(実際にこの地番が存在する)の町を通り、
木場公園に架かった醜悪極まりない吊り橋をくぐった。
この公園にこんな馬鹿デカい吊り橋が必要だったのか。
大いに疑問が生じ、どう見ても税金の無駄遣いだ。

しばらくすると入場無料の釣堀が見えてきた。
オジさんばかりが糸を垂らしている。
真っ直ぐ進むと心和む仙台堀川公園だ。
なおも歩いて活気あふれる砂町銀座に到着。
都内に数あるナントカ銀座の中でも
一、二を争う迫力に満ちている。

この日の夜は「男の手抜き料理」を作るつもり。
食材には目を光らせたものの、
ここでは野菜を買うにとどめておいた。
ところが手づくり餃子とシューマイが自慢の
「さかい」の店先を通り掛かると、
矢も盾もたまらなくなってシューマイを一折購入。
10個入り500円のこのシューマイは大好物。

砂町銀座を抜けて丸八通りに出たら、左折して北上。
大島の商店街を通って着いたのは亀戸のサンストリート。
ここにあるスーパーの品揃えは、なかなかなのである。
精肉コーナーに阿波尾鶏を見つけた。
麻布十番の「世良田」(第614回参照)でも
使われている銘柄鶏である。
もも・胸・もつ・ささみと何でもござれであった。
今宵はここで調達した阿波尾鶏のささみを使い、
「世良田」の上をゆく鳥わさを作ることを決断。
料理のポイントは上質の食材を用意することにつきる。
それでは、アラ・キュイジーヌ!


(1)主な材料は下記の3点。
   鳥のささみ・切り三つ葉・本わさび。
   ほかには醤油と日本酒。
   ささみは国産が望ましく、三つ葉は切り三つ葉。
   糸三つ葉だと、仕上がりが格段に落ちる。
   どうしても糸三つ葉の場合は湯通しが必要。
   わさびも本わさびに限り、ニセわさび・粉わさび・
   混ぜわさびの類いなら作らぬほうがよい。

(2)湯を沸かす間にささみのスジ取り。
   湯には少量の塩と酢が必須。
   それぞれの分量は適当。
   よほど常識はずれでない限り、問題は発生しない。
   塩はささみが水っぽくなるのを防ぎ、
   酢はわさびとの相性を高める。

(3)沸騰した湯にささみを投入し、10秒で取り出す。
   冷水でささみを締め、水分をよく拭って冷蔵庫に。
   醤油と日本酒を煮きった煮きり醤油も冷やしておく。
   小口(親指の爪サイズ)に切ったささみ・
   きざみ三つ葉・鮫皮でおろしたわさびをボールで和え、
   小鉢に移したら煮きり醤油をたらして
   再びおろし立てのわさびをタップリと添える。
   
(4)好みでもみ海苔・針海苔を散らしてもよいが
   J.C.はないほうが好き。
   使うのなら、朝食用の焼き海苔を用意し、
   ごはんの代わりに鳥わさを巻いていただく。


この鳥わさ、下手な鯛やまぐろの刺身が
食べられなくなるほどに美味ですぞ。

 
←前回記事へ

2008年11月13日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ