第637回
酉の市の一日(その4)
「酉の市シリーズ」は3回のつもりが4回になった。
いましばらく、おつき合いのほどを。
お酉様の情緒を堪能して鷲神社の鳥居を逆にくぐった。
吉原方面から来ると、どうしてもそうなるのである
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提灯一つおいくらだろう? photo by
J.C.Okazawa
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人の流れに逆らって photo by J.C.Okazawa
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さて、陽もとっぷりと暮れたことだし、
そろそろビールタイムだ。
あまり酒を飲まぬS蔵さんは
晩めしということになる。
訪れたのは17時からオープンしている「入谷食堂」。
合羽橋道具街がつきて
言問通りと交差する地点のやや西寄りにある。
到着したのは17時過ぎ。
ほかに客はなく、われわれが口開けとなった。
壁にずらりと張りめぐらされた品書きの木札を
見落としのないように目で追っていく。
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S蔵さんのナイスショット photo by
J.C.’s friend
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さっそくビールを頼むとお姉さんが
「キリンかアサヒですが・・・」
いいですねェ、これが飲食店の基本というもの。
しかもここは浅草だ、もちろん地元のアサヒを。
その代わり、横浜へ行ったらキリンに敬意を表したい。
そういえばいつぞや行った、宇都宮もキリン一色だった。
ビールは大瓶でやって来て、これが550円。
さすがに庶民の味方の大衆食堂、良心的な価格であった。
S蔵さんは目ざとくもJ.C.の肩越しに
本日の日替わり定食のパネルを見つけて、それを注文。
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これでたったの700円 photo
by J.C.Okazawa
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どうです? この充実ぶりでこの値段。
内容は、生さんま塩焼きおろし&すだち添え・
肉じゃが・めかぶとろろ・大根ぬか漬け&白菜塩漬け・
豆腐&わかめ味噌汁・どんぶりめし
このほかにとんかつを単品で頼み、二人で分け合った。
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単品で450円にすぎないとんかつ photo
by J.C.Okazawa
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けっして肉厚とはいえないが
そこそこの存在感を示すこのとんかつ半分で
ビールを一本半飲んだ。
相方に半本ほど手伝ってもらったことになる。
「すし468」で開催される
「下町を食べる会」(630回参照)の
第三夜の時間が迫って来ている。
「入谷食堂」を出たところでS蔵さんと別れた。
この夜はビールを飲みすぎ、
なおかつ、とんかつを食べたせいか、
上方寿司を食べられずにおみやとしてもらう。
田原町のスナック「B1」で二次会のあと、
帰宅してもまだお腹は空かない。
おまけに昼間、買い求めた草餅があった。
餡入りと餡なしで、餡なしのほうは
きな粉と白みつをかけて食べるスタイル。
頑張って二種ともやっつけてともに美味しい。
黒白をつければ、きな粉&白みつに軍配。
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きな粉&白みつをかけた草餅 photo
by J.C.Okazawa
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4回に渡ってお送りした「酉の市の一日」、
紙芝居みたいだったでしょ?
【本日の店舗紹介】
「入谷食堂」
東京都台東区入谷2-1-4
03-3873- 5129
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