「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第687回
レトロな食堂に栄華を偲ぶ(その1)

奥秩父のみやこ旅館で夕食を済ませ、
離れに引き揚げて飲み直しである。
下戸の幹事は呑み助のために
乾き物をいろいろと取り揃えてくれていた。
ビールやワインは川越の駅前で調達してある。
わいわいやっているうちに
何だか修学旅行の一夜みたいになってきた。
当時との違いは卓上に酒があることだけである。

こういう状況になると、
やはりトランプがないと雰囲気が出ない。
さっそく取り出して
トランプの二大盛り上がり種目、
「名指し」と「うすのろ馬鹿」に興じる。
前者は頭脳の瞬発力、
後者は身体の反射神経を競うものだ。
ワァワァキャァキャァと、それはもう大騒ぎ。
いい歳こいて、子どもとまったく変わることがない。
隔離された離れでなけりゃ、
隣りの部屋から苦情がくるところだ。

ひとしきり騒いだあとは
数あるトランプゲームの中にあって
こよなくシンプルにして、もっとも奥の深い
オータム・リーヴス(枯葉)に移行した。
3人でプレイするゲームは各自10枚の持ち札を
1枚、2枚と降ろしていくのでこの名が付いた。
米国では1枚、2枚と脱いでいくことから
ストリップ・ティーズと呼ばれている。
これを3組のタッグマッチで遊んだ。
麻雀に匹敵するほどのすばらしいゲームは
いずれまた紹介する機会があろう。
みな夢中になってお開きは何と午前四時であった。

わずかな睡眠時間しかなく、
しかも隣りで寝ていたN田クンのいびきが
想像を絶するほどのもので
正味1時間眠れたかどうかだ。
入浴と朝食を済ませてチェックアウト。
再び秩父鉄道の乗客となり、
秩父の一つ手前のお花畑で下車する。

古い町並みを見て回り、
荒川上流に架かる秩父ハープ橋まで歩く。
スロープのある大橋の中腹から
のぞき込む川の水の綺麗なこと。
ただし、高度が相当あるので
高所恐怖症の人には無理だ。
かくいうJ.C.も吸い込まれそうになり、
いつの間にやら腰が引けていた。

橋から一直線に大通りを戻ると、突き当りが秩父駅。
駅のそばには秩父の夜祭で有名な秩父神社がある。
夜祭は毎年、曜日に関係なく12月3日に催され、
2006年に訪れているから、2年ぶりの再訪である。
それぞれの願いを胸に参詣を済ませ、
ランチスポットとして狙いを定めておいた
「パリー食堂」(117&118回参照)に向かった。

この外観は見過ごせない
photo by J.C.Okazawa

夜祭の夜もここで夕食を取ったのだった。

             =つづく=

 
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2009年2月19日(木)

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