「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第913回
読者オススメのステーキ (その1)

ときどきメールをくれる読者のK原サン。
推奨店をいろいろ紹介してもらい、感謝している。
感謝しているのだが、前回は大きくはずしてくれた。
築地場外の推奨店「魚河岸千両」(第368回参照)の
海鮮ひつまぶし(1900円)と
築地市場セット(2300円)がヒドいのなんのっ!

あれは何ヶ月前のことだったろう。
K原サンが六本木のはずれは飯倉片町の
「ステーキハウス チャコ」に行ってみてくれと言う。
何でもランチタイムのリブアイステーキが抜群とのこと。
近くの神谷町に勤める旧友を誘い、出掛けて行った。

事前に店の概要を調べると、
新川に本店のある「牛幸」とのコラボのようだ。
「牛幸」に行ったのはもう12年前のこと。
「チャコ」は東銀座にも出店しており、
そこには「牛幸」の影が見えないから
六本木店だけがジョイントしている模様だ。
もっとも外食産業の裏側はよく判らないので
おそらく経営母体が一緒なのだろう。

この辺りにはフレンチの「ヴァンサン」や
日本そばの「朋樹庵」、はたまたジャーマンバーの
「バーンズ」などがあって勝手知ったるエリア。
もちろん「CHAKO」の看板も幾度となく仰ぎ見ている。

階段を上って2階へ。
オススメのリブアイ(1400円)と
フィレ(1700円)のステーキランチを1人前ずつお願い。
ともに150グラムの標準サイズだ。
ライスとパンも1つずつ。
隣りのオジさんのステーキを見ると
シズリング・プレートだったので
焼き加減はワンランク浅めにする。
熱い鉄板の余熱で“焼き”が一段進むからだ。
リブアイはミディアムレア、フィレはレアで――。

食事を終えてコーヒーを飲むOL8人組の会話が
耳をつんざくほどにやかましい。
もしもわれわれがデートのディナーだったら
席を立って注意に赴くところだ。

デフォで不味いドレッシングの掛かった
トマトとレタスのサラダが登場。
シンプルにオイル・ヴィネガー、
それに塩・胡椒でじゅうぶんなのに――。
続いては化学の味しかしない、わかめの吸い物だ。
「何だよコレ? オレは鉄腕アトムじゃないんだぜ!」
ああ、あっちは“科学”の子だったか、けっ!。

もうこの時点で帰りたくなった。
もしもJ.C.が小学生の女の子だったら
「おかあさ〜ん!」って叫んでる。
ハナマルキのCMとは違った意味でネ。

このときすぐうしろのテーブルから煙草の煙が流れてきた。
遠慮がちに振り向くと、今度は若いリーマンの4人組だよ。
「キミたちねェ、こんなに狭くて天井の低い店で
 しかも満席だっつうのに、何の権利があって煙を
 振りまいてんだい。消火器ぶっかけるぞ!」
喉元に詰まった罵声が出そうで出ない。

言葉の代わりにため息が出て相棒と目が合った。
奴さんもたぶん同じことを考えているのだと思う。
「これからボクたち、いったいどこへ行くんだろう?」
夜空ノムコウだろうか・・・。

            =つづく=

 
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2010年1月4日(月)

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