「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1094回
三色丼を食べました

さてさて、民主党の党首選の結果やいかに?
それはそれとして、今日も「食べる歓び」は健在だ。
まったくもってのんきなものである。

かつて、そう、もう3年近くも前、
当コラムで日本の五大どんぶりを
特集したことがあった(第273回参照)。
天丼・かつ丼・親子丼・うな丼・鉄火丼がそれである。
いえ、べつに権威ある協会が定めたというのではなく、
J.C.が勝手に選んだだけのこと。
ただし、まったくの主観ではなかった。
平均的日本人の立場に立って客観的に取捨選択したのだ。

五大丼のうち、天丼・うな丼・鉄火丼は
はるか江戸の昔から存在していた。
親子は明治、かつ丼は大正時代の誕生というのが
一応の通説となっている。

五大丼以外にも山ほど、〜丼はあるけれど、
いずれもイマイチ感が否めない。
たまに深川丼や舞妓丼を食べたくなるが
なければなかったで不都合はない。
あまり耳にしない2つのどんぶりは
前者があさりを使った味噌仕立てのぶっかけめし。
後者は柳川どぜうをアタマに乗っけた親子風である。

都営新宿線の市ヶ谷と新宿三丁目の間に曙橋という駅がある。
あまり他所者(ヨソもの)が足を踏み入れない場所だ。
ここに一筋の商店街(かつてのフジテレビ通り商店街)があり、
散歩の途中、とあるとんかつ屋を発見したのは今春のこと。
別段、外観に通行人を惹きつける魅力があったのではない。
入口のガラス戸越しに店内をのぞいたとき、
とてもレトロな感じがしたのだ。
たびたび語っているので耳タコの方も少なくなかろうが
こういったタイプの店には弱い。
 J.C.殺すに刃物は要らぬ 
        レトロな店に招(よ)べばよい

なのである。

和風洋食の店、「かつよし」に出掛けて行って
レトロな雰囲気の源泉を認知した。

厚手の生地のカーテン
photo by J.C.Okazawa

緞帳風のカーテンがかもし出す味わいだったのだ。

この日は近所にお勤めのOOLと一緒。
エッ、OOLって何だ! ってか?
これはちょっとトウの立ったOLのことざんす。
Old Office Ladyの略ですな。

ザッと目を通して気になったメニューは2つ。
まずはハーフ&ハーフ(2)(¥1000)である。
説明書きによると、内容はカレー+ナポリタン+とんかつ。

皿からあふれんばかりの大盛り
photo by J.C.Okazawa

そして世にも不思議な三色丼定食(¥750)だった。
これには内容説明がないので
お運びのオバちゃんに訊ねると、
チキンカツ・きすフライ・いかフライの3種を
かつ丼風に玉子でとじたどんぶりの定食だという。

どんぶりではない大皿で来た三色丼
photo by J.C.Okazawa

OOLと分け合って頑張ってはみたものの、
ついに完食に至らず、ずいぶん残してしまった。
だって、尋常のボリュームではないんですから。
おまけにこのOOL、口には出さないものの、
横にらみの両眼が
(よくもとんでもないモンを食わせてくれたわネ)
と言わんばかりに不気味な輝きを放っている。
まっ、その気持ち判らぬこともない。
どちらもけっしておいしいモンじゃないからね。
量は超一流ながら、味は二流半なので
曙橋ではなく、御茶ノ水か早稲田辺りにあったら
学生諸君には喜ばれよう。
あるいは元横綱・曙に食わせちゃうとか――。


【本日の店舗紹介】
「かつよし」
 東京都新宿区住吉町9-8
 03-3359-4663

 
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2010年9月14日(火)

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