中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第106回
中国料理(テスト成績発表付き)

「中国陶磁器に盛って映える料理」
略して中国料理の第二回目です。

前回、日本のエビチリは陳健民さんが考案した
和製中国料理だった話をいたしました。
そしてその理由として、
当時の日本では中々本格的な中国料理を作る素材が
集まらなかった事を挙げました。

では、現代ではその問題が解決されたかと言えば、
それはそうでもありません。
確かに調味料の類は、
今やどの国のどんなものでも簡単に手に入るようになりました。

しかしやはり肝心な新鮮な素材が日本では手に入りません。
(手に入らないという意味は高価過ぎて手を出せない
という意味を含んでいます)
香港や中国本土に住まわれている方は分かると思いますが、
何故現地の中国料理が美味しいかと言えば
素材が新鮮で良い物だからです。
特に、野菜と海鮮類は美味しいです。

中国料理は複雑な調味料や調理法を駆使して、
素材に劇的な変化を与える料理だという側面もございますが、
普通に味わえる中国料理の中で
やはり美味しいのは良い素材を
シンプルな方法で調理したものです。

例えば中国人は生きている海老を
わざわざ捏ねくり回したややこしい料理にはいたしません。
単に葱と生姜だけをのせて蒸し上げ、
自分で殻を剥きつつ
醤油ベースの美味しいタレにつけていただきます。
この料理は「白灼○○蝦」などと呼ばれますが、
どのレストランでもまずこれが中国での海老料理の基本です。

中国では、こういう海老料理が一番美味い!

また、魚料理でも同じです。
中国の魚料理の代表はやはり新鮮な魚を
高温で短時間に蒸し上げた料理です。
香港では高額な海水魚などが人気ですが、
本土では淡水の桂魚などが人気となります。

そのような、魚の蒸し物は「清蒸○魚」などと呼ばれます。

中国の会食では、
一匹丸ごとの魚料理が出るかどうかで
その宴席の値打ちが決まるという程魚料理は重要視されます。

話が逸れ出したので「エビチリ」に戻ります。
そういう意味において
四川料理である「乾焼明蝦」(エビチリ)も
四川という土地柄が生み出した少し特殊な料理と言えます。

その昔、内陸部であるせいで
中々新鮮な素材が手に入りにくかった上に
夏が大変暑くなる四川省では
唐辛子や香辛料を用いた独自の調理法が生み出されました。
それはやはり、素材の質が余り良くなかった事や
腐敗しやすかった事なども関係しているのです。

このように中国料理には、
その土地土地で培われた歴史があります。
そのような中国料理の奥深さを少しづつ、
今後このコラムで表現していきたいと思います。

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<第一回中国古陶磁器実力テスト・成績発表>

○全問正解者 天青庵

商品・・・Qさんのロールス

○殆ど正解者 ジュンジ様
ムトー様 田宮様 佐々木様 小林様(他数名)

商品・・・次回テストの回答権

○落第者 寿司職人様

(落第理由) 上記の者の回答の一部に不適切なものがありました。

問題・・・今の浙江省付近に点在する[ 5 ]窯において

(正解)    越州

(落第回答) 越中 ←(それではフンドシですから・・)


次回のテストは、7月末を予定しております。

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2008年6月13日(金)

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