中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第239回
続・ハイハイ天さん、天さんデス

○今回の依頼者

[ペンネーム] はんぺん
[年齢] 30代(本人自称)
[お住まい] 東京
[趣味] 海外ドラマ・中国骨董収集
[職業] しがないサラリーマンですT_T

○依頼文

天さん、こんばんは。

いつも楽しく読ませていただいています。
日本では中国骨董品の専門の方が見つからず
いろいろ探して天さんのページにたどり着き、
少しずつ読ませていただいていました!

堅苦しくなりがちな中国骨董の世界を
ユーモアたっぷり(死語?)に解説していただき、
おかげさまで中国骨董への知識が深まりました。

この度、わたしが最近入手したコレクションの中から
2点鑑定していただきたくメールさせていただきました!

一つは、白磁三足皿で、高さ7cm直径16cm
もう一つは、清 同治年代の茶碗で、高さ7cm直径16cm。
持ち出し許可印がついていますが、本物とのことです。

状態はどちらも良好で、
特に花鳥紋碗のほうは、
仕上がりがとても美しく気に入っております。

目が飛び出るような金額が出ることを楽しみにしております(笑

依頼品
 
「粉彩」と呼ばれる黄色の磁器
清時代後半の同治帝の銘が入っている

依頼品(アップ)

絵付けはそこそこ熟練されているが・・

 

○鑑定結果

今回2点の鑑定依頼ですが、
白磁盤の方も鑑定文が長くなりそうですので、
今回次回と二回に分けさせていただきました。

同治年製の粉彩花鳥紋碗の方ですが、
これはやはり後年の精巧な写し(倣品)だと鑑定いたします。

金彩部分の擦れの雰囲気から
極最近焼かれたものではないと思いますが、
近年の景徳鎮で焼かれた工芸品でしょう。

依頼品は本物の官窯品と言ってもおかしくない程
絵付けも手馴れていてとても丁寧な作行きです。

しかし依頼品からは、
やはり本物の官窯品にあるべき「厳しさ」と言うか、
一つ一つの作品に込められた陶工の真剣さが伝わって来ません。

下の二つの画像は、
だいたい同じ時期に焼かれた官窯磁器のアップです。

この二品が特別に優れた作品と言う訳ではありませんが、
これを見れば官窯作品の絵付けの厳格さが
伝わってくるのではないでしょうか?

清朝官窯の最盛期であった乾隆期ではなく、
清朝後期、同治や道光期の作品でも
本物の官窯作品にはそれなりの凄みがある

更に言えば、中国において黄色は「皇帝の色」とされ、
皇帝以外の者の使用が禁じられていた程の特別の色です。

ですので、黄色の磁器の作品を作るときは
更に真剣度が増すという事です。

黄色を使えるのは皇帝だけ

○結論

依頼品がどのような範疇の品であるかは、
以前のハイ天(第153回)で紹介した作品が参考になると思います。

悪意のあるニセモノという事ではなくて
中国では堂々と「倣古品」という商品が流通してます。

価格的には本物の何十分の一、
何百分の一といった感じでしょうか・・

 
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2009年4月20日(月)

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