第56回
Qさんのご自宅訪問「恋のインターチェンジ」
銀行渋谷支店の田辺勝保支店長は、
銀行内でも変り種支店長でした。
ユニークな発想をする面白い人で、
風貌もおよそ銀行支店長とは程遠く、
また奇想天外なアイデアマンでした。
そこらへんが銀行嫌いのQさんにも
共感して頂けたのかもしれませんね。
それにしても、多くの職員の中から、
田辺支店長がわざわざ山崎を呼んで、
直木賞作家Q先生に引き合わせてくれたのは、ナゼだろう、
と考えましたが、分かりません。
しかし感謝ですね。
山崎はへマをして、よく叱られましたが、
営業畑では業界一のセールスマンだった支店長には
「お客様第一」を叩き込まれ、その後の発展に繋がりました。
Qさんと出会った渋谷支店、
「趣味はQさん」に早変りした山崎(第1回)は、
銀行社内報に「お客様訪問」のページを見つけ、
「直木賞作家邱永漢氏訪問」の企画を提案し、採用されました。
案内役は山崎です。
支店長、伊富貴編集長と目黒のご自宅に伺いました。
天井が高い、洋風なモダンなお宅でした。
Qさんは、質問に応えて、楽しいお話をたくさんして下さった後、
笑いながら、
「ぼくが作詩して、いま売れてるレコードですよ」
と言われて、1曲聞かせて下さいました。
当時評判の橋幸夫「恋のインターチェンジ」でした。
山崎はラジオ番組「Q永漢アワー」を
録音して聞いていましたから、驚きませんでしたが、
同行の二人は・邱永漢先生のお人柄と、
その守備範囲の広さに感嘆しきりでした。
この社内報記事は巻頭を飾り、
数ページにわたり写真入りで報じられたお陰で、
邱永漢先生の名は銀行の全行員に、
ひろく知られるところとなりました。
記事中に「案内役は邱さんの大フアン・山崎係長」
と紹介されました。
その後の山崎の展開は(第2回、Qさんに学び意外な展開)を
ぜひもう一度お読み下さい、
あなたの今後のご発展、
また起業のヒントになるかも知れませんよ。
起業といえば、Q先生の最新刊
「起業の着眼点、起業できる人・出来ない人」を
お読みになりましたか。
厳しいことも書いてあります。
でも実際的で役に立つ貴重な1冊ですね。
爆発的な売れ行きの予感がします。
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