第283回
世界遺産に拡張認証された沈陽故宮
中国にはすでに30以上も世界遺産に認定された
自然遺産・文化遺産がありますが、
中でも有名なのは北京の故宮(第41回)や
万里の長城(第27回)でしょう。
実は、中国の世界遺産の中でも5ツ星の世界遺産と呼べる
故宮には、2004年に拡張認証された
「もう一つの故宮」があります。
東北3省の一番南に位置する
遼寧省の瀋陽(沈陽)に、
その沈陽故宮があるのです。
沈陽故宮
入館時間:8:30から18:00
(季節によって変動するので、各自チェックしてください)
入館料:50元
この沈陽故宮、清朝時代の
一時期である20年間(1625-1644)の間、
皇帝の皇居であった場所です。
中国において、
現存する皇帝の住居であった場所として
ほぼ完全な姿を残しているのは、
北京の故宮とこの沈陽故宮のみです。
しかし、沈陽故宮は
北京の故宮と比べるとずっと規模が小さく、
どうしても見劣りしてしまうことは否めません。
できれば、この沈陽故宮を観てから、
北京の故宮を観たほうが、
スケールが大きくなるので観応えがあるのですが、
先に北京の故宮を観てから沈陽故宮を観に来ると、
正直なところ、格下の文化遺産であると感じてしまうでしょう。
中国を訪れる人々の殆どが
まずは北京や上海を訪れますので、
いきなり遼寧省の瀋陽(沈陽)から観てまわるというのは、
観光の順番からして難しいかもしれません。
また、中国の文化遺産にありがちな「補強」が
ここ沈陽故宮においても露骨に目に付くので、
350年以上もの歴史がある文化遺産であるという
感慨が薄れてしまう面もあります。
明日は続けて内部の風景と、
中国の文化遺産にありがちな
「補強」の問題点について少し触れてみます。
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