知的財産ってわかりますか・中村佳正

無から有を生みたい人、必見

第97回
時計修理技能検定を受検しました

何かの間違いがなければ今日は4月1日のはずです。
しかし、今回のコラムには
エイプリルフールの適用はありません(笑)。

実は、去る1月末から2月初旬にかけて、
国家検定である時計修理技能検定(2級)を受検してきました。
もともと時計好きということもあり、
自分なりに職人さんの手作業を何か体験しようと思って
身近な時計の分解組立を試みているうちに、
やることが段々本格的になってしまいました。
ここまで読まれて単なる時計好きがなぜそこまでやってしまうのか、
理解に苦しまれる方が大勢おられることも承知しています。

2年ほど前には有名な時計師さんのところに1年間通って
機械式時計のオーバーホールの仕方や
歩度の調整方法を一通り学びました。
こうした取り組みについては、
もう家族から見放されております・・・。
私は、例えば手先を実際に使った技能の修得を通して
知的財産の本質に迫ることができると考えているのですが、
周囲には言い訳にしか聞こえないようです(笑)。

特許を出願する場合には、
発明は頭の中でさえ「完成」しておれば
実際に試作する必要はありません。
但し、この「完成」がクセモノです。
自分ではそこに立派な発明があると信じ込んでいても、
単なるアイデアの域を出ないものは
いざモノを作ってみるとあちこちに不具合が生じて
肝心な部分は結局未完成であったということがよくあるのです。

ですから、出願のための必須条件ではありませんが、
発明品を試作してみるということは非常に重要です。
これは、第60回第61回第62回でも申し上げた通りです。

それで、本題の時計修理技能検定ですが、
実技検定の内容は
アナログ式のクォーツ時計(日付及び曜日がついた3針のもの)の
分解、洗浄、組立、注油、調整でした。
一連の作業は4時間以内に完了しなければなりません。
分解というのは本当に隅々まで分解します。
壊れやすい小さな部品がいっぱいです。
私などは制限時間一杯かかってしまいました。
会場内には、某ウォッチメーカーの若手社員さんが
会社の作業着を着てずらっと並んでいる列があって
なかなか威圧感があったのですが、
せいぜい負けないよう頑張ってきました。
後日、筆記試験もあって、
こちらの方は心配していないのですが・・・。

結果は、3月18日に発表されます。どうなることやら。

追記:この原稿を納めたあとに合格発表がありまして、
    無事合格を確認いたしましたことご報告いたします。
    このあと、時計と知的財産との関わりを
    少し取り上げたいと思いますので、
    よろしくお付き合いください。


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2008年4月1日(火)

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