メニューを自分でつくるか他人に任せるかは一見なんでもないようだが、信じられないくらい大きな違いになる。家内に任せた場合はまだいくらかましだが、コックに任せるとまったく程度の悪いものができてくる。どうしてかというと、まずコックはお客の食欲に合せてメニューを組むよりも、台所の鍋釜の都合に合せて料理をつくりたがる。だから油を使って何か揚げたら、つぎも同じ鍋でできるものを考える。したがって、似たようなものができてくる可能性が強いのである。第二に牛肉、豚肉、鶏肉、モツなどとやたらに肉類の料理をつくりたがる。
動物蛋白の多い料理ほどご馳走だという貧しい社会の先入観がしみこんでいるから、年輩者の多い食卓にもカロリー過剰のメニューをつくってしまうのである。
その点、私が自分でメニューをつくると、まずお客の食欲を考えて料理の種類をきめる。食欲優先だから、コックの都合など頭から無視してしまう。はじめにあんまりうまいものを出してはならないし、重いものを出してもいけない。西洋料理は、スープは胃袋がいっぱいになるからといって、最近は三つ星のレストランでもスープを出さない店がふえたが、私の家では必ず二回は出す。オルドーブルのつぎに一回と、最後の方で一回、胃袋の中のおさまりをよくするためである。また最初のスープのすぐあとには、揚げ物とか、家鴨とか、ハムとかアワビのようなものを出す。次に豆腐の料理が出てくる。やや胃袋が満杯に近づいたところで、今度は胃袋を刺激するために唐辛子かカレーを使った一品が出てくる。四川風の家郷回鍋肉というピーマンと豚肉を炒めて豆板醤という幸い醤で味つけをしたものとか、小粒の青い辛子で炒めた小海老などは、口に入れた途端に目が醒めてしまう。そのあとでアスパラとか青梗菜とかニラの花を炒めたものを出し、さらにスープで口をすすぐようにすると、胃袋の中で、いままで食べてきた料理が落ち着くのである。第二に私は材料の値段によって料理の区別をしない。一皿の材料費が五万円かかる料理も、五百円でできる料理も、私の家では同格で食卓に出てくる。
どうせ料金をいただくわけではなし、おいしくてお客さまに満足していただきさえすればよいからである。

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