中国古陶磁器 そのロマンを求めて-天青庵

単なる美術品ではございません

第21回
土器がセラミックスに

ちょっと、ここで紹介しておきたい事がございます。
私はコラムの第2回目で「中国古陶磁器はハイテクの結晶」
第4回目で「陶磁器の英訳が「CHINA」の訳」
というお話をいたしました。

これは100%自分で考えた文章なのですが、
先日、邱永漢先生から頂いた著書「口奢りて久し」の中に
殆ど同じ内容の事が書かれていた事を発見いたしました。
(ちなみに162Pです)

自分的には「なかなか良いフレーズを思いついたぞ」
なんて得意になっていたのですが、
完全に二番煎じで恥ずかしい限りです。

話は中国古陶磁器に戻ります。

ここまでは、中国古陶磁器に興味を持っていただく為に、
パラパラと中国古陶磁器に関する自分のエピソードや
面白い話を中心にして書いてまいりました。

今回からは、時系列通りに陶磁器の進化と技術革新、
そしてそれによって生まれた芸術性などについて
述べていきたいと思います。

中国で最初の完成された土器が焼かれたのは
今からおよそ8000年前の頃だと言われています。
焼き物は長時間タキギをした地面の土が
硬く焼き締まったような状態になった事に人間が気付いた事から
スタートしたと言われています。

土を焼けば、硬くなる。
それに気づいた好奇心の強い一人の男が、
粘土を固めて成型し
タキギの中に放り込む光景を私は容易に想像できます。

しかし、中々強度のあるものが焼けません。
その男は多分土に問題があるのだと考えました。
それからと言うもの、
その男はいろいろな場所からいろいろな粘土を採取してきては、
器の形に成型し、タキギの中に放り込みました。
「この土では、いくら焼いても硬くならないのか?」
「焼く時間が短すぎるのか?」
「火が弱すぎたのか?強すぎたのか?」
いろいろと試行錯誤を繰り返し、
ようやく実用に耐える事のできる器を一つ完成させます。

それから時代が流れて現代。
焼き物はセラミックスという
ハイテク産業に欠かせない素材にまで昇華しました。
土器からセラミックスへ・・
その間に起こった事を
これからゆっくり時間をかけて書いていきたいと思います。

邱永漢先生著 「口奢りて久し」
162ページより抜粋

今から千年あまり前、
中国の陶磁器はハイテクの最先端をいく産物であり、
景徳鎮は中国のシリコンバレーであった・・中略・・
この極秘のハイテクがあればこそ、
陶磁器がチャイナと呼ばれ
中国のハイテク商品として輸出された・・・

「本当に真似はしてないんです」

 
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