中国って、本当のところどうなの?

第153回
世界遺産の旅:ニーハオ、北京猿人

北京原人(以下、現地表記の北京猿人)、
歴史の教科書で習った
お馴染みのあの「原人」です。

2006年2月現在、
北京市には世界遺産に登録される場所が幾つかあります。
以下、お薦め順に並べてみましょう。

(1)故宮博物院
(2)万里の長城
(3)頤和園
(4)天壇

そして、今回ご紹介する北京猿人遺跡も
北京市にある世界遺産の一つですが、
お薦めランキングでは天壇に次ぐ最下位です。

世界文化遺産:北京猿人遺跡
入場料:大人30元、学生15元

北京市中心部から南西に50キロ、
房山区の周口店に遺跡は位置します。

交通アクセスはかなり悪く、
市中心部の天橋からバスで1時間以上、
タクシーでも同程度かかります。

遺跡の入口では、
この地で50-20万年前に集団生活していたとされる
北京猿人の大きな像が出迎えてくれます。

1929年に北京猿人のほぼ完全な頭蓋骨が発見され、
「猿が人間に進化した」という
イギリスの博物学者ダーウィンや
動物学者ハクスリーなどの
生物進化論の立証を決定付けたのでした。

この北京猿人、骨格では猿(ピテカントロプス)と
人間(ホモ・サピエンス)の中間に位置づけられています。
猿人の男性の身長は約156センチ、
女性は約144センチと
やや小柄だったと推定されています。

また、彼らの寿命は現代人と比べると著しく短く
約7割が14歳以前に死亡、
50歳まで生きられたのはわずか4.5%だったそうです。

こうした雨露をしのげる場所で、
現代の中学生ほどの年齢であった猿人たちは
集団生活をしていたのでした。

北京猿人遺跡、世界遺産ではあるものの、
地質学や進化論に興味がある人以外には
そう楽しめる場所ではありません。

市の中心部から往復だけでもかなりの時間を要しますし、
行ってみても猿人の頭蓋などは模型ばかりで
がっかりさせられます。

中国の世界遺産を全て踏破したい人は別ですが、
一般の人にとっては、行く価値は乏しいでしょう。


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2006年2月25日(土)

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