前菜は、食欲を起こさせるという大切な役目をもっていますから、おいしく、見た目もすっきりと仕上げたいものです。
量は少なめに、料理の種類を多めにします。普通、酒の肴として出されますが、ご飯のおかずにもなります。

材料の鮮度が多少落ちてきましたら、揚げものにしますと気にならずにおいしくいただけます。
揚げものは、材料の香ばしさが身の上、必ず大きめの鍋にたっぷりと油を沸かし、材料を少なめに入れますとカラッと仕上がります。

日本では、直火で焼いたり、油で焼くことを文字どおり「焼」で表しますが、中国では「焼（シャオ）」は煮もののことをいい、前者の直火で焼くことを「（カオ）」、後者の鍋に少量の油をひいて焼くことを「煎（チェン）」といいます。
焼きものは香ばしさが命ですから、多少焦がしたほうがおいしいものです。
火加減は最初強火で途中調節します。

煮ものの多くは、材料をいちどゆでたり、揚げたり、炒めたりしてから調味料を加えて煮込みます。材料の品種や鮮度、スープの量、火加減などが微妙に影響してきます。
味つけは煮つまることも考えて、少し薄めに味つけし、材料の持ち味をそこなわないようにしてください。

揚げたり、蒸したり、炒めたりして仕上げた料理に甘酢あん、みそあん、クリームあん、などをからませた料理です。あんの出来具合が、おいしさの決め手ですが、土台の料理はやや薄めに味つけして完全に仕上げておきます。

蒸しものは、材料の持ち味をいかすのに最高の料理法です。鮮度の落ちた材料は、揚げもの、炒めものなどにして、蒸しものには、なるべく新鮮な材料を使ってください。
肉、魚は強火に、卵は弱火といった火加減や、長時間蒸すものは、お湯の量に気をつけてください。

汁ものは、スープの味のよしあしが、仕上がりの味を左右します。アクはていねいにとり、煮立てずに静かに煮てください。
スープの味つけは、必ず薄味に仕上げます。塩辛い場合には、酢を少し入れると甘味がでてきます。

餅類、粉類、麺類、飯類、おかし類、果物類など、食事以外の時間に多少空腹を感じたときに、軽く食べたい、ちょっとつまみたいという軽食風の小菜を中国では、点心とか、小食と呼んでいます。
種類の豊富さと風味をもつ広東の点心は有名です。

ここでは、ちょっとしたお客さまをおもてなしするときの一汁四菜の菜単をたててみました。豊富に獲れる新鮮な海産物を主材料に、台湾料理の数々をご紹介します。